ロックは果たして「主人公」なのであろうか?
SQUAREは当時「FF6は全員が主人公」と発表していた。
しかし、集英社刊「Vジャンプ」のFF6特集記事や
Digicube刊「ファイナルファンタジー大全集」には、
“ロックは主人公”とも取れる記述が見られた。
私は個人的に、ロックが“FF6の主人公”という
名を背負うのは無理があると考えている。
“FF6の主人公”は、まぎれもなくティナである。
確かにSQUAREは“全員が主人公”と謳っていたけれども
「幻獣界と人間界」「失われた魔法」…etcが
大きなテーマとなっているFF6に於いて、
堂々と“主人公”としての役割を果たすことができるのは
幻獣と人間とのハーフであるティナのみなのである。
ティナは崩壊後パーティーを抜けてしまうため、
ヒロインの座がセリスに移ったと解釈する声もあるようだが、
私は決してそうは思わない。
戦いの日々から一時離脱し、ゆっくりと自分を見つめ直すこと。
それが、彼女の成長にとって重要なプロセスだったのである。
彼女をパーティーに入れずにクリアすることは可能だが、
その場合でも彼女はEDに登場する。
彼女がいなければ、文字通り「話にならない」のである。
いなくてもクリアできる点はティナもロックも同じだが、
ロックはEDに登場しなくても充分「話になって」いる。
また、PS版での扱いから以下のような声もあった。
「ムービー見てるととても主人公とは思えない(苦笑)」
重い世界観を背負うための資質を持つティナに対して、
個人的な罪悪感と執着を糧に旅を続けるロックでは
“FF6の”主人公とはなりえないのでは?と結論づけたい。
他の登場人物も、またしかり。
とはいえ、私のFF6ワールドはロック中心にまわっている。
彼の生き様、言動、そして矛盾。
そこから妄想をふくらませ、想いを馳せてしまうこと。
それぞれのキャラでそういったことが出来るという点で、
“全員が主人公”と言えるのではなかろうか。
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