ティナ ティナ=ブランフォード<Tina=Branford>
帝国に操られ兵器として扱われていた所をロックに救い出された。 実は、彼女は幻獣と人間とのハーフ。 「トランス」することにより、淡いピンクの幻獣へと姿を変える。 彼女は、いわば同じ境遇の者などいない、孤独な存在であろう。 しかし彼女は己の運命を悲観することはせず、 自分だからこそ務めうる役割を、みずから進んで果たそうとした。 そして、この世のすべてを愛そうと試みた。 ティナは本編中、時折さまざまに思い悩むのだけれども、 意外と前向きで芯のしっかりした少女であると思う。 逆に、母親のマドリーヌは後ろ向きで内向的な人間だと思う。 容姿は母に似て、精神は父に似たのではないだろうか。 ティナは、赤子の時にガストラの手に渡った。 セリスもまた、幼いころから英才的な魔導教育をほどこされた。 すなわち、ふたりとも「ベクタの魔導研究施設」にいたのである。 「こんなかたちで再会するとは…」というセリスの台詞から、 セリスはティナの存在を知っていたことは明らかである。 しかしティナの「あなたも魔法を?」という台詞から考えると、 あやつりの輪で制御されている状態で対面しただけで、 直接的に相まみえることはなかった、とするのが自然かと思う。 少なくとも10年は同じ敷地内に暮らしていた可能性は高いが、 ふたりは本編で出会うまで話をしたことはないようである。 ティナは、貴重な研究材料、兼、秘密兵器であるがゆえに、 やすやすとヒトの目に触れられないように扱われたのであろう。 普通の少女が体験するような人生経験に乏しいがゆえに、 彼女は感情表現が少ない面も見受けられる。 ティナは本編中、随所で「愛」について知りたがっていた。 しかしそれは「人間愛」だとかの普遍的なものであって、 「男女間の愛」とは、少し違うような気がする。 彼女がモブリズの孤児たちと接したいと思ったのは、 子供たちの無邪気さ・純粋さが、彼女の癒しとなるから。 いわば子供たちがティナを成長させているのだと言えよう。 頼られること、守りたいということ、愛しいということ。 ゆっくりとゆっくりと、その「芽」を育てていく。 個人的に、ティナが「男女間の愛」を求めるのは、 もっと、ずっと後になってからのような気がするのである。 |