視界を遮る深い霧に包まれた「霧の大陸」――。
切り立った絶壁の側にそびえる美しき都アレクサンドリア。
姫ガーネットの誕生日でもあるこの日に、
天駆ける劇場艇プリマビスタと共に劇団タンタラスが訪れる。
演目は、身分違いの悲恋を描く「君の小鳥になりたい」。
人気の芝居の上演に、人々はみな胸躍らせていた。
だが「劇団」タンタラスとは仮の姿。
実は姫を誘拐するべく命を受けた盗賊団であった。
一方、姫もまた城を脱出すべくひそかに計略を練っていた。
利害の一致した双方は、なんとか城を脱出するが――。
母ブラネの不穏な動きに心痛めるガーネット。
アレクサンドリアに武力を提供する謎の人物クジャ。
クジャの手先、心を持たぬ殺戮人形「黒魔導士」。
その黒魔導士にそっくりな容姿を持つ気弱な少年ビビ。
ビビは本当にあの黒魔導士と同じく「作られた存在」なのか?
己の存在理由を確かめるべく、ビビは勇気を奮い起こす。
持ち前の明るさで仲間たちをサポートするジタンだったが、
彼自身もまた、驚くべき己の出生の秘密に直面するのだった。
なお、今作では久しぶりに「クリスタル」が復活している。
過去のシリーズのキーワードも随所に盛り込まれ、
古くからのFFファンにはなつかしい思いがすることだろう。
「原点回帰」を目標とした、シリーズ第9作!! |